普段、なかなか行く機会が巡ってこない中央ヨーロッパのチェコ共和国、スロヴァキア共和国、ハンガリー共和国、オーストリア共和国の4カ国を回ってきました。アマチュアのプリフィックスに言い換えますとOK、OM、HA、OEの4つのエンティティになり親しみの度合が増してきます。これらのエンティティとはRTTYやSSTVなどで何度も交信していますから、事前にQSLカードをチェックしておいて、アイボールQSOができるとよかったと思ったりもしますが、終日忙しい観光ツアーでは難しい相談でした。

成田の新東京国際空港からオーストリア航空の直行便にてウィーンに向けて飛立ちました。エコノミー症候群にならないように水分を十分に補給して、トイレに立ったときなどに手足を屈伸して血栓ができないように気を配りました。映画の新作を次々に観て気を紛らわしているのもしだいに苦痛になってきました。1本が2時間として4作品で計8時間!これでは身体が休まりません。疲れが頂点に達した頃、ようやくウィーン・シュヴェヒャート国際空港に降り立ちました。搭乗時間は12時間30分でした。

ウィーンを素通りしてプラハへ

オーストリアはEUの加盟国ですからパスポートにスタンプを押すだけの簡単な審査で入国しました。この後、バスに乗り換えてオーストリア~チェコの国境へ向かいました。チェコの国境まで1時間30分、国境の入国審査に興味津々、程なくしてバスに乗り込んできた係官にパスポートを見せて入国が許されました。バスを少し移動して両替所の前に停車、日本円をチェコの通貨"コルナ"に替えてもらいました。

1チェコ・コルナ(KC)が約5円、千円で約200コルナになりました。両替所に隣接のお店で買い物をしてみました。チーズと卵のサンドイッチが40コルナ、ノンアルコール330ml缶が15コルナでした。日本円でそれぞれ200円、75円相当になります。国境から3時間、チェコ共和国の首都、プラハのコリンシア・パノラマ・ホテルに到着しました。成田からの移動時間は17時間が経過していました。

海外ローミングサービス

重さが1.98kgのノートパソコンを携行しました。ホテルの部屋から電子メールの送受信やホームページの更新をやりたい、EchoLinkにも出てみたいと欲張り、事前に@niftyの海外ローミングのアクセスポイントを調べておきました。同時にプラハとブダペスト、ウィーンのホテルのWebサイトにアクセスして部屋の設備を調べておきました。幸なことにインターネットの接続がいずれのホテルでも接続が可能とわかりました。

@nifty海外接続アシスタントの画面

@niftyのWebサイトに無料の接続ソフトを「@nifty海外接続アシスタント設定方法」を見つけて、ノートパソコンにダウンロードとインストールを実行しておきました。接続料金は従量制でニフティ直接提携(5円/分)、UUNET社提供アクセスポイント(10円/分)、iPass社提供アクセスポイント(20円/分)、Gric社提供アクセスポイント(20円/分)、定額制(3,000円/月)などが利用できます。アクセスポイントファイル一覧から「ヨーロッパ/アフリカ」を選択、「ダイヤル設定」「電話とモデムのオプション」「アクセスポイントの設定と接続」を行いました。一度設定したらお気に入りに登録しておいて、ホテルの外線発信番号が0か9を確認してOKします。

オーストリア、チェコ、ハンガリーの3カ国ともAC電圧は220V/50Hzでした。いまどきのノートパソコンのACアダプタは100V~240Vに対応していますからそのまま使っても全く問題がありません。ただしACプラグの形状が異なりますので変換プラグ(Cタイプ)が必要です。ほかにモジュラープラグ付の電話線とLANケーブルを持って行きました。ホテルで貸してくれるところもあるらしいのですが、自前で調達しておいたほうが良いに決まっています。

ホテルのインターネットアクセス

プラハとブダペストは幸運なことにいずれも4星ホテルした。少し前までは社会主義国のホテルの設備に心配がありましたので、Webサイトでインターネットアクセスが可能かどうかを調べてみました。プラハのコリンシア・パノラマ・ホテル(Corinthia Panorama Hotel)とグランド・ホテル・ハンガリア(Grand Hotel Hungaria)は「インターネットアクセス」の文字を発見しました。ウィーンのラディソン・サス・パレ・ウィーン(Radisson SAS Palais Hotel)はヨーロピアンスタイルの5星ホテルだけあって、インターネットアクセスはもちろん問題なくOKでした。

中世の雰囲気ただようプラハの旧市街地

ヨーロッパでもっとも中世の雰囲気を色濃く残す町と言われるプラハの旧市街を観光しました。聖ビート教会の塔がシンボルのプラハ城からヴァルタヴァ川にかかるプラハ最古の石橋(1357年着工)、カレル橋を渡りました。にせ警官が出没して金品を騙し取ると聞いて緊張して歩いたのですが、冬のこの時期には出てきませんでした。旧市街側から8番目に当たる聖ヤン・ネポムツキー像(1683年制作)に触ると幸運を招く言い伝えがあり、小泉首相も触って行かれたと現地のガイドさんから聞きました。

カレル橋からプラハ城をのぞむ

旧市街に一歩足を踏み入れると、中世以来のあらゆる建築様式の建造物が迫ってきます。広場には500年以上の歴史を誇るきらびやかな天文時計に人々が集まり、ショーウィンドウ越しに美しく輝くボヘミアングラスを眺めていると、いつの時代に身をおいているかが分からなくなる瞬間があります。

500年以上の歴史を誇る天文時計

ホテルに戻るのは街のレストランで夕食を済ませてからになります。くつろぎの時間は風呂に入って寝るだけのハードなスケジュールです。それでも寝る時間を惜しんでパソコンを広げてインターネットに接続してタイピングしないと眠れない性分ですから困ったものです。電子メールの送受信をやっていますと午前零時を回ってしまいました。

iPass社のアクセスポイント

壁にはACコンセントと並んでLANジャックと電話モジュラージャック、TVアンテナ端子が並んでいましたが、日本からもって来たLANプラグを壁のLANジャックに挿すことができません。形は似て非なるもの、異型のLANジャックでした。これにはお手上げでLANジャックをあきらめて専用のモジュラージャックにモジュラープラグ付(RJ-11)ケーブルを挿してノートパソコンにつないでダイヤルアップで対応しました。

左からACコンセント×2、LANジャック、電話モジュラージャック、TVアンテナ×2

外線発信番号の0をつけてUUNET社(10円/分)に接続を試みるのですが、込み合っているのかなかなかつながりません。そこでiPass社(20円/分)のアクセスポイント変更してみると一回の呼び出しでつながりました。「海外接続アシスタント」にはアクセスポイントがすべて網羅されているために、アクセスポイントの変更が簡単にできて便利です。

アクセスポイントの接続設定を行っている

翌日、QTC-Japanの「SSTV DX NEWS」を担当される吉池さん(JA0SC)から電子メールでニュースが届きました。テキストファイルをDREAMWEAVER(ウェブサイトやページを作成、管理するためのビジュアルエディタ)でレイアウトして直ちにサーバーに上げました。プラハのホテルで編集作業をしているとはどなたも思われないでしょうね。電話料金は12回の接続で22%のサービス料込みの282コルナ(1,410円)でした。

次回はプラハから国際列車に乗りスロヴァキアの首都、ブラスチラバへ移動します。その後、バスでハンガリーの首都、ブダペストへ。さらにウィーンの5星ホテルでYahooメッセンジャーによるおしゃべりとEchoLinkに挑戦した話などへと続きます。