Onlineとーきんぐ
No.28 旅先からMSNメッセンジャーを楽しむ!
アイコムのホームページでアマチュア無線機の取扱説明書が自由にダウンロードができるようになっています。最近の機種に限定されていると言っても、これは画期的といわねばなりません。以前からこのようなサービスが海外で普及していましたからいずれは日本でも始まると期待していました。
早速、ホームページを開いて[無線機器]をクリック、[サポート情報]→[取扱説明書]にたどり着きました。 [サイトマップ]からも [取扱説明書]を開くことができました。「アマチュア無線」IC-756PROⅡなど17機種、「コミュニケーションレシーバー」IC-PCR1000など6機種、「オプション」AH-4など5機種が収録されています。
オンラインで取扱説明書がダウンロードできるのは、印刷と製本の工程が省けてコストがかからないメリットに加えて、いつでも欲しいときに無料で入手できるのはアマチュア無線家にとって大変な朗報です。これはブロードバンドの急速な普及によってPDF※1による取扱説明書のダウンロードを容易にしたと考えられます。
ホテル・旅館からインターネット
先日、紅葉を求めて東北地方の1300キロドライブを家族と共に楽しみました。山形、秋田、岩手、宮城、福島の5県を周り3箇所の保養施設に宿泊しました。今回もノートパソコンを携帯してホテルでの最初の行動は電話機のチェックでした。電話機にノートパソコンのモデムをつないでEメールの到着をチェックし、返信を素早く書いて送信!どこへ移動しても自宅にいるときと同じような生活スタイルを守りたいと考えているからです。インターネットの接続が完備した近代的なホテルがあっても、全国的にはオンラインの設備が充実しているとは言い難いのが実情のようです。現に利用した3箇所のホテルは、インターネットへの対応は全く考えられていませんでした。
出かける前の準備
旅に出かけるときは、ダイヤルアップのモデムを内蔵したノートパソコンとモデムダブラープロ※2とプロバイダの「アクセスポイント電番号一覧」を持って行きます。モジュラーコンセント無しで電話コードが壁に吸い込まれている場合、どんな方法でモデムに繋いだらよいか途方にくれることがあります。このようなときに電話機のハンドセットを持ち上げてコードの先を手繰っていき、コネクタを介して電話機本体とつながっていること確認したら、次に回線チェッカーで回線を調べます。
モデムダブラープロと回線チェッカー(手前)
パソコンショップで見つけた「回線チェッカー」※3(サンワサプライTEL-TS4、780円)は、ホテルの部屋からモバイルで通信をする際に、回線が使用可能かどうかをチェックするチェッカーです。PBX、デジタル回線についても判別できます。操作は簡単でモジュラージャックにチェッカーの先端部分を差しこみ、先端のLEDが緑なら正常(正常)です。もし赤のLEDがつくようなら使用できない可能性がありますので、電話クロスアダプタ(サンワサプライTEL-EX-C、500円)を挿入して極性を正常にしてやりますが、いまのところクロスアダプタを使ったことはありません。
インターネットの接続をチェックする
一日目は山形新幹線の蔵王駅に程近い「厚生年金ハートピア山形」に宿泊しました。建築間もない清潔な施設で通された部屋も広くて大満足でした。郷土料理として有名な"芋煮会"に舌鼓を打ち、蔵王を一望にできる大浴場ですっかりリラックスしました。泉質はナトリウム硫酸塩泉で神経痛、動脈硬化症、疲労回復等に効能があると聞きました。
部屋の電話機とインターネットの接続をチェックしました。電話機のハンドセットがモジュラージャックで電話機本体につながっていることを確認したらハンドセットのモジュラージャックを外してモデムダブラープロのTELEPHONE端子につなぎ、MODEMをパソコンに、HANDSETにハンドセットを接続すれば作業は完了です。
事前に「回線チェッカー」を使って緑のLEDが点灯することを確かめてあります。接続の手順は電話機のハンドセットを上げて外線発信の"0"を押してツー音を確認してパソコンの接続をオンにするだけです。プロバイダのアクセスポイントにつながりサーバーとの間でIDとパスワードが確認されるとハンドセットが切断されます。
アクセスポイントの接続設定は、マイコンピュータ→コントロールパネル→ダイヤルアップネットワーク→新しい接続の手順でアクセスポイントの電話番号とID、パスワードなどを入力すれば終了です。旅行に出かける前に山形、秋田、福島と3つの接続をあらかじめ設定しておくと便利と思いますが、慣れてくれば現地で設定してもそれほど時間はかかりません。
MSNメッセンジャーでボイスチャット
翌日泊まった「厚生年金秋田たざわこ荘」は、田沢湖を展望できる高原地帯にありました。そして三日目の「国民年金阿多多羅(あだたら)」は磐梯吾妻スカイラインに通じる岳温泉にありました。いずれも部屋の電話環境は同じでした。ここでも回線チェッカーとモデムダブラープロの活躍でインターネットへの接続は満足できるものでした。ということで朝晩の2回、ホテルの部屋で電子メールの受信と返信、Yahoo!など検索サイトでニュースのチェックを行いました。
MSNメッセンジャーでボイスチャット楽しんでいる様子
就寝前のひと時、いつものようにMSNメッセンジャーを開きますとオーストラリアの友人、荒さん(VK1ARA)がオンラインになっていましたので、呼びかけて文字チャットをお願いしてみました。「いま山形のホテルから・・・」とタイプすると、所沢と何も変わらないと言います。気をよくして「ボイスチャット」のリクエストを出してそちらへ移ることにしました。ここでマイクを持って来なかったことに気付きました。
荒さんは「ノートパソコンに内蔵マイクがある筈だが・・・」とノートPCのスピーカーから明瞭な声が聞こえてきてあせるばかりです。「そうだウォークマンのヘッドフォンがあったはず、あれはダイナミック型だからマイクの代用になる」と閃いてヘッドフォンのジャックをマイク端子につないで見ました。あっさり「聞こえますよ」と応答があり、とっさの代用マイクのアイデアに酔いしれてしまいました。開局当時、ダイナミックスピーカーをマイクに使った経験が生かされた瞬間でもありました。
パソコン用マイク(左)と両耳用ヘッドフォン(右)
旅行中の音信不通は昔の話であって、せっかくの電子メールを何日も放置しておいてはインターネットの即時性が泣こうと言うものです。小型のノートパソコンが手軽な価格で手に入るようになりましたので、いつでもどこでもインターネットの接続環境が整ったことになります。宿泊施設側がインターネットに対応していなくてもチェックアンドチェックで安全に接続するのが腕前を発揮する機会と考えています。こうしたことから旅先&出張先から〔オンライン+アマチュア無線〕の新しい通信スタイルを実現してアマチュア無線の楽しみがますます広がっていくに違いないと信じています。今回は3つの宿泊先を転々としましたのでインターネットの接続をチェックするまたとない機会となりました。
※1 PDF Portable Document Format異機種で共通の文書ファイル形式。
※2 モデルダブラープロの詳細はOnlineとーきんぐNo.24をご覧ください。
※3 サンワサプライのホームページ http://www.sanwa.co.jp/