Onlineとーきんぐ
No.99 南の島グアム(KH2)DXバケーション
10月30日〜11月3日の6日間、KH2/NV1Jら6名はレオパレス・リゾート・グアムに宿泊し、日本から持ってきた小型HF帯トランシーバー(IC-706MKIIG、K2/100W)をコンドミニアムの一室にセットして無線運用を楽しむ一方で11月1日、2日の48時間をPalm Tree DX Club(KH2JU) レンタルシャックを運用し、EU、NA、SA、JAのパイルアップを浴びました。成田空港からわずか3時間余のフライトで日本から一番近いアメリカ「グアム」に降り立ち、陽光が眩しい南の島のバケーションがスタート、仲間 6人と共に有意義な時間を共有することができました。
左からJJ1JGI、AK0J、JJ1HKS、WH7QL、NV1J、JF1GUQ(レオパレス・リゾート・グアム本館前)
グアムの基礎知識
グアムは西太平洋、ミクロネシアのマリアナ諸島の南端(北緯13度30分、東経144度30分)に位置し、面積ではミクロネシア最大、淡路島とほぼ同じ大きさ。1950年からアメリカ合衆国の準州。人口:168,564人(2005年)、時差は+1時間(日本が正午の時、グアム午後1時)、フライト時間 3時間半、気候は一年中泳げる常夏アイランド、平均気温26℃、台風の発生は7月〜10月、電圧110V、60Hz、コンセントはプラグタイプA、水道水は飲めるが石灰質が多いため、現地の人もミネラルウォーターを飲んでいる。
テレビはNHKなど日本の放送が視聴できる。泥のついたものや葉や根のついた野菜、果物、植物、肉製品全て(生肉、加工品、エキスなど調味料)持ち込み禁止。公用語は英語とチャモロ語、現地ではYをJと発音するため、Yigoはジーゴ、Yona(ジョーニャ)、JはHと発音するためSinajana(シナハーニャ)、Inarajan(イナラハン)となる。観光客の9割は日本人ということで日本語がかなり通じるが、基本的には英語を解さないと困るのはハワイなどと同じ。(グアム観光局)
グアム島の地図
コールサインと免許について
6人のライセンスはFCCアマチュア・エクストラ級3人(NV1J、AK0J、WH7QL)と1アマ1人、2アマ2人でした。コールサインはKH2/NV1J、1アマ、2アマはKH2/JF1GUQのように使いました。米国の免許証、日本の従事者免許証並びに無線局免許状を携帯する必要はありませんが、万が一のトラブルに備えて持参しました。運用の際、米国のバンドプラン(PDF)を順守しました。
出力は何W出せるか?
Palm Tree DX ClubのWebサイトに次のように記載がありましたので引用しておきます。
『日本とアメリカの相互運用協定で運用される方(KH2/JE1HJAのような形での運用の場合)は日本国内で免許されている(無線局免許状に記載されている)出力の範囲での運用になります。したがって、1アマの免許を持っていても、局免許が100Wの場合はグアムでの運用も100Wに制限されます。FCCのライセンスでGeneral級やExtra級の免許を持っている方が、W*AB/KH2のような形で運用するときに限り上限が1500Wになりますのでご注意ください。アメリカ国内ではオーバーパワーは厳罰です。 FCCのモニター局によってチェックされ捕まると厳罰とその他の処置が行われます。 設備は運用者個人の責任において行ってください。』ということで、6人はそれぞれの免許の範囲で運用したのは言うまでもありません。
メンバーの交信データ
交信局数の集計は、Palm Tree DX Clubに泊まり込んで48時間運用した KH2/AK0J(JA1KJW)はCW/SSBで1,504(内467はレオパレス) 、KH2/JJ1JGI は約963、KH2/WH7QL(JA1XVY)はSSTVで25 (交信画像はJASTA WEBサイトに掲載)。 KH2/JJ1HKS はSSBで74、KH2/JF1GUQ はSSBで約 60、KH2/NV1J(JA1FUY)はSSBで101局とそれぞれ交信しました。
レオパレス・リゾート・グアム
レオパレス・リゾート・グアムは島中心部の丘陵地帯に広がるリゾート施設で、広大な敷地はグアム全体のほぼ100分の1を占めています。ここにホテル、コンドミニアム、陸上競技場、サッカー場、競泳用プールなどを配置、都会の喧騒から離れた環境に着目、コンドミニアムタイプ「ラ・クエスタE」を予約しました。ホテル棟から離れているので無線運用に好都合です。最上階8階に4室(2ベッドルーム)を押え、805室を無線室&ミーティングルームに、804、806、807の3室に2人ずつが入りました。アンテナの展開は予約の際に事情を話して許可をもらいました。
レオパレス・リゾート・グアムのE棟8階のベランダにアンテナを展開
11月30日、到着早々、806室のベランダから突き出した釣竿の先端に14mのワイヤーを懸けて805室のベランダに引きICOMのアンテナチューナーAH-4につなぎ、グランド側に25mのアルミ線をつないで階下に垂らしました。トランシーバーはICOM IC-706MKIIG+DC電源(MFJ/25A)をデスクの上にセットしました。SSBのほかにSSTVはノートパソコンにMMSSTVをインストールしました。電源スイッチをオンにしてバンドキーで14MHzにセット、TUNER/CALLキーを押すと瞬時に同調しました。各バンドをチェックすると3.5MHz〜28MHzのどのバンドでも同調が取れました。
アンテナチューナーAH4
11月2日、KH2/NV1JがCQを出すと島内の KH2JU Dannyが呼んできました。レオパレスとKH2JUの距離は30キロくらい、グアムの局同士のSSTVによる交信が成立して貴重なQSLカードをゲット。KH2/AK0J は10月30日、31日、11月4日の3日間、ベランダから釣り竿で突き出した7/10MHzダイポールとK2/100Wトランシーバーでチェックアウト間際まで運用してパイルアップを楽しみました。結局、この設備でのQSOは467、コンディション、ロケーションに支えられながらCWモードの良さを発揮したと考えられます。
ホテルの一室にセットしたIC-706MKIIGとノートパソコン+SSTVインターフェース
Palm Tree DX Clubについて
グアム島の北部に位置し車で空港から約20分の距離にPalm Tree DX Club(代表者はKH2JU)があります。 住所は502 Chalan Padiron Haya Yigo, Guam。今回は48時間の契約でレンタルシャックをお借りして使用料は740ドルでした。予約や問い合わせについては同クラブのWebサイトをご覧ください。近くに平和記念塔(慰霊碑)があると聞いて出かける準備をしているとKH2JU Dannyさんが案内を買って出てくれましたし、夜はバーべーキューを御馳走してくださる心遣いに恐縮しました。
KH2JU レンタルシャック全景
レンタルシャックに持ち込んだIC-706MKIIGでSSTVを運用するKH2/WH7QL(JA1XVY)
まとめ
レオパレス・リゾート・グアムでは日本から持ってきた小型HFトランシーバーをセットしてロングワイヤーによる無線運用を始めました。CWが好きなKH2/AK0JとKH2/JJ1JGIはいつ寝ているのかわからないほどオペレートを楽しんでいました。お二人は4月にV6(YAP)&T8(PALAU)に遠征したばかりでDX QSOの楽しみ方をよく知っています。レンタルシャックでは3kHzアップ指定でパイルアップをこなしていました。KH2/NV1Jは1.5kWの出力でJAとEU方面からのパイルアップを体験したほか、久しぶりの友人・知人とあいさつを交わしてDX運用の醍醐味をかみしめました。
JASTA前代表の平野さん(WH7QL/JA1XVY)は、日本のSSTV愛好家向けにサービスしていましたし、KH2/JJ1HKSはダイヤネットにチェックインしたほか、18MHz帯のパイルアップを楽しみました。KH2/JF1GUQは21MHz帯SSBでサービスに努めました。ホテルとレンタルシャックの同時オペレーション、それに軽飛行機操縦体験、シュノーケリングと島内観光めぐりなど欲張ったプランをそれぞれにこなしたバケーションでした。お付き合いいただきました皆さんにお礼を申し上げます。QSLカードはJARLビューローのホームコールにお送りください。