このほど免許の有効期間が2009年7月×日までの移動する局の「再免許の申請」をインターネットで体験しました。08年7月末日「電子申請・届出システムLite」のユーザーID・パスワード」を申請すると、一週間程で「ユーザーID通知書」が郵便で送られてきました。注意書きを読んで新しいパスワードを設定し再免許の申請に備えました。

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総務省 電波利用「電子申請・届出システムLite」のコーナー(ハムフェア08)

電子申請に取り掛かる際に役立ったのが、ハムフェア2008の会場でもらった総務省発行の「電子申請・届出システムLite」A5判3つ折り6頁のパンフレットでした。それによると、1.新規ユーザー登録、2.申請・届出、3.手数料納付 のかんたん3ステップでOK!とあり、電子申請を行うと手数料が従来の約30%値下げとあり、これはやるしかないと思わせるに十分でした。

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総務省 電波利用「電子申請・届出システムLite」のパンフレット(※クリックすると画像が拡大します。)

再免許の申請手数料が1,100円おトク!

これまではJARLの「個人・社団用開局用紙」840円、「変更用紙一式」840円、「再免許用紙」380円を購入して使っていましたが、総務省電波利用のページから申請用紙をダウンロードしてプリントするようになってからは申請用紙の購入はなくなりました。さらに2008年4月、インターネット時代の便利さそのままに総務省の「電子申請・届出システムLite」が登場しました。同時に申請手数料の値下げが発表されて、再免許の申請手数料が3,050円のところを1,950円にするというではありませんか。なんと1,100円の値引きになります。

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総務省 電波利用 電子申請・届出システム Lite ホームページ(※クリックすると画像が拡大します。)

省力化による申請手数料の値引きは朗報です。せっかくの素晴らしいシステムも「新規ユーザー登録」でID・パスワードの取得でつまずき、先に進めなくて敬遠する方もおられるのは残念というかもったいなく感じます。その辺りをなんとか克服して電子申請・届出システムを大いに利用して省力化に協力しなければいけないと思っています。次に免許申請手数料(カッコ内は電子申請の場合の手数料)を記載しておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無線局の種別 アマチュア無線局
基本送信機の規模(空中線電力による) 50ワット以下のもの 50ワットを超えるもの
新規免許申請手数料 4,300円(2,900円) 8,100円(5,500円)
再免許の申請手数料 3,050円(1,950円)

電子申請に取り組む

総務省の「電子申請入門PDF」(A4判13頁)をダウンロードして通読、理解に努め再免許の電子申請に備えました。総務省の電波利用「電子申請・届出システム」から利用する[申請・届出]をクリックして[申請メニュー]→[申請入力]→[新規作成]の順に進み、インターネット申請(再免許)を行いました。画面に指示される通りに入力してなんとか「送信」にこぎ着けた感じもありますが、終わってみると特別に難しい印象はなく、むしろ初めての経験を楽しむ余裕がありました。申請した翌日には、総務省から「申請手数料 電子納付のお知らせ」メールが届いて、「申請が受け付けられましたので、申請手数料の電子納付をお願いします。申請手数料の納付番号は ×××× です。」に続いてATM、インターネットバンキングによる納付手続きの案内がありました。

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アマチュア局インターネット申請(※クリックすると画像が拡大します。)

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申請書(※クリックすると画像が拡大します。)

次いで再免許手数料(1,950円)を納付するために普通預金口座のある銀行にインターネットバンキングを設定して残高照会を使えるようにしました。ただし振り込み等は第2暗証、第3暗証が必要なため暗証カードの到着を待ち、一週間後に暗証カードを有効にする手続きを行い総務省に申請手数料の納付を済ませました。

免許状が届くまで何日かかる?

再免許申請は申請手数料をインターネットバンキングあるいはATM(現金自動預け払い機)で納付すると、申請から7日〜10日以内に免許状が届くことがわかりました。新規免許申請なら免許状20日間で届くようです。

例1:再免許の申請

某月 11日 電子申請(再免許)を行い。

   12日 「申請手数料電子納付のお知らせ」がメールで届く。

   12日 銀行にインターネットバンキングを申し込む。

   18日 銀行からインターネットバンキングの暗証カードが届く。

   18日 申請手数料の電子納付を済ませる。

   18日 免許状の返信用封筒を郵送する。

   24日 免許状が郵便で届く。

例2:新規免許申請

某月 9日 電子申請(開局)を行う。

    18日 「申請手数料電子納付のお知らせ」がメールで届く。

    19日 申請手数料の電子納付を済ませる。

        免許状の返信用封筒を郵送する。

    26日 免許される。

    28日 免許状が郵便で届く。

例1のインターネットバンキングの口座開設と暗証カードの到着に一週間を要しましたから、これを差し引くと免許状の受領まで実質9日間となります。例2は友人による新規免許申請例で、申請から17日間で免許というスピード処理でした。

インターネットバンキング

パソコンで振込みなどの出金を伴う取引ができることからインターネットバンキングが危ないという思い込みがあり、これまで利用することはありません。しかしながら「申請料、電子の納付のお知らせ」をもらってすぐにインターネットバンキングを始めたのは、便利な機能にプラスして電子申請の必要条件としてATMかインターネットバンキングの二者択一を迫られたからにほかなりません。

「電子申請・届出システム」WEBサイトを開いて、「照会・変更」→「納付情報照会」よりインターネットバンキングにより申請手数料納付を済ませました。送金の確認の意味で納付情報照会をすると「納付済み」に変わっていました。念のために銀行口座の残高・入金明細を確認すると「ソウムシヨウ」に1,950円のお引出しとありました。

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納付情報照会 納付状況は「未納」と表示(※クリックすると画像が拡大します。)

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手数料納付後に納付情報照会をすると「納付済」に(※クリックすると画像が拡大します。)

免許状の返送用封筒の送付

手数料の電子納付を済ませると同時に、免許状を送ってもらうための返信用封筒(郵便番号、住所、氏名を記入して80円切手を貼った封筒)、申請・届出の送信完了時に表示された「問い合わせ番号」のコピーを同封して関東総合通信局に送りました。今回は1週間程度で免許状を受け取ることができました。免許状は基本的に地方総合通信局の窓口で受け取るもので、遠隔地に住むなどの理由で郵送を希望する場合に、返信用封筒を送ると免許状を送ってくれます。

あとがき

アマチュア局に限りID・パスワードを使用して電子申請を受け付けるのが「総務省 電波利用 電子申請・届出システムLite」、では末尾のLiteは何でしょうか。実は辞書を引いても出ていません。lightを簡略化したのがliteで形容詞の「軽い、手軽な」の意味になります。なお、電子証明書を利用して本人確認を行う「総務省 電波利用 電子申請・届出システム」とは異なるので注意が必要です。アマチュア局の「開局・変更・再免許」の申請はLiteと覚えておきます。なお、不明な点は総務省のヘルプデスク(TEL:0120-850-221、月曜日から金曜日、8時30分から17時00分)に問い合わせるとよいでしょう。

参考資料:

 「電子申請・届出システムLite」総務省パンフレット

 「電子申請入門」総務省WEBサイト 平成20年4月

 「電子申請入門」JK2XXK 利根伸剛 著CQ ham radio 08年9月号別冊付録