Onlineとーきんぐ
No.123 「ARRL/VEC 台北試験2010に参加して」
2010年9月11日に台北・桃園空港に入り市内で一泊、翌12日昼過ぎ、台北市内で開かれたFCCアマチュア・レディオ・ライセンス試験にARRL/VEC 東京ボランティア試験官(以下VE)チーム(代表・KH2J/JA1TRC)の一員として台北VEチームのサポート(後援・援助)にまわり、同VEチームの旗揚げに立ち会うことができました。今回の受験者は15名、このうちアマチュア・エクストラ級6名、ゼネラル級1名、テクニシャン級3名を輩出。エクストラ級6名がVEを取得すると10名余のVEチームとなり、今後の活躍が期待されます。
台湾セッションの告示(ARRL/VEC)
台北チーム結成
台北チームのVEはKC2TRF/BU2AI、N6FS、KI6RYP/BX2AL、KI6RYQ、WM1D/BU2AV/JH0KHRの5人です。中でもN6FS FREDERICK W STEINERさんは台北駐在23年、台湾語を流ちょうに話す才人です。そして通訳ボランティアの神山さん(BU2AW/JN3TVX)、仲介役の星野さん(JP1RIW)が台北と日本の橋渡し役を果たしました。
台北セッションは今回が3回目、これにARRL/VEC東京VEチームの12名が参加しました。KE7OEI/JJ2VLY WS2Y/JF1LZQ W3FO/JH0CEO AC6XT/JA7FYF NV1J/JA1FUY KA1Z/JA1IFB AE6UR/JA1WPX W6HGY/JA1HGY AC5TB/JH0MRP N1KS/JA1FUI AI9C/JR1CBC KH2J/JA1TRC。因みに台湾のKC2TRF/BU2AI、KI6RYP/BX2AL、KI6RYQの3人は2009年の試験でエクストラ級に合格、後にVEを取得しました。
台北と東京VEチームの記念写真
試験の履歴
2008年6月12日、ARRL/VEC東京VEチーム(代表・KH2J/JA1TRC)による第一回目の試験に65名が受験してテクニシャン級6名、ゼネラル級7名が合格。2009年9月13日、ARRL/VEC東京VEチームによる第二回目の試験が行われ、テクニシャン級4名、ゼネラル級5名、エクストラ級4名が合格。この後、エクストラ級4名がVE資格を申請して台北VEチーム結成の環境が整うが、1人のエクストラ所持者が急逝したのは残念の極みでした。
反省会では
16時30分、最後の受験者が解答用紙を提出、採点・合否の通告を経て試験を終了。続いて試験官による反省会が開かれ、KC2TRF/BU2AIの進行により各級合格者数の発表と試験が無事に済んだこと、併せて東京VEチームの協力に感謝の意が表されました。この後、星野さんの案内でミントロン・エンタープライズの屋上に設置のアンテナ群と最上階のアマチュア局を見学しました。事前に無線局免許状と従事者免許証を提出して免許申請を行った人は、ここからBW/JA1×××のコールサインで運用ができました。また、夜はバイキング・レストランでCTARL※の役員、台北と日本のVEが出席して会食、QSLカードを交換して親睦を深めました。
※Chinese Taipei Amateur Radio League
試験会場の屋上にHF帯の八木アンテナ
ホテルのインターネット環境
今回もKDMホテル(台北市忠孝東路三段8号)に3泊しました。1泊朝食付ツインベッド1,850元@5,550円×3泊16,650円。インターネットは無線LANが無料で使えるのでパソコン(SOTEC C204)を携帯しました。このPCは10.1型、960g、薄さ23mm、32GB SSD(ソリッドステートドライブ)と軽くて持ち運びに便利。さっそく無線LANに接続して留守宅に無事到着のメールを送信したほか、Skypeで電話を掛けました。事前に10 EUROをクレジットカードで払っておくと通話のたびに差し引いて行く仕組みで長話をしても課金が気になりません。音質も悪くないのでお試しを!
試験のあとは・・・
試験の翌日は帰国する人、観光に出かける人さまざまですが、せっかく台北にやってきたのですからVEの友人と共に台北から電車で約1時間の基隆(英:キールン、中:ジーロン)に出かけました。KDMホテルから地下鉄・忠孝新生駅で切符販売機を操作して丸い硬貨のようなプリペイド式のICカード(20元)を手に入れて台北駅へ。
ここで台鉄(台湾鉄路管理局)への乗り換えは標識を辿り改札までたどり着くが、切符の購入の仕方がわからなくてうろうろ、なんとか切符販売機を操作して片道切符を43元で購入。各駅停車の電車に乗って観光気分で基隆駅へ向かいました。因みに換算レートは1元=2.8〜3.0円ですから地下鉄が約60円、台鉄が129円となります。
基隆観光
台湾北部にある港町。基隆港は台湾では高雄に次ぐ大規模な港で、台北市から日帰りで行くことができます。人口39万人(2009年6月現在)。基隆駅前の観光案内所で日本語のパンフレットを手に取って見ていると台湾人ガイドに声を掛けられました。こちらは気ままに観光したいのでガイドを丁重に断り、観光冊子「基隆 四季の旅」で調べた中正公園に出かけることにしました。
同公園は中正区の小高い山の上に大仏禅寺があり、そこに巨大な観音像があります。タクシーで約10分、同禅寺の正門に到着。境内に人影がまばら。早朝から30℃を超える真夏日に汗を流し、境内に流れる経文のような歌声を聴きながら観音像を一周。高台から基隆港を眺望し景色をカメラに収めて再びタクシーに乗って街に戻る。適当なところで下車、とある湖南料理店に入り昼食にしました。言葉は通じないのでメニューの漢字をたよりに料理を注文。想像と違うものが出てきて慌てる一幕も。野菜いためや水餃子など中華料理を美味しくいただきました。
大仏禅寺の正門
基隆の歴史
基隆駅は小高い山を背に、前方が基隆港というロケーション。山にはロサンゼルスで目にするHOLLYWOODサインと同じKEELUNGサインが見られます。もともと鶏籠(ケーラン)と呼ばれていたが1626年スペイン人が占領、1642年オランダ人がスペイン人に代わって占領。1668年鄭成功がオランダ人を駆逐、1683年清国の支配下に。1875年ケーランと近い音で基隆(キールン)に改変。1884年清仏戦争。1895年日本が馬関条約により日本海軍が駐留する軍港に。1984年コンテナ業務の取扱量世界第7位を記録し、輸出入取扱総額台湾一の港湾として現在に至る。
基隆駅の後背にKEELUNGサイン
色彩豊かな果物が一杯!
二人乗りのバイクが走り回っている
まとめ
2008年から毎年、台北を訪ねて交流して3回目、試験終了後は台湾新幹線で台北-高雄を往復(2008年)、市内観光(2009年)、そして基隆(2010年)を訪ねました。08年は漁船沈没事件で日台が緊張する中での訪問でしたが、アマチュアの皆さんにフレンドリーに迎えられ楽しい思い出が残りました。3回の試験を通じて台北VEチームの結成と試験の体制が整ったことを喜ぶと共に、このプロジェクトに参加できた喜びを感じています。
クラブ局で星野さん(左)と神山さん(右)