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No.128 「計画停電対策、照明装置の組み立て」
「停電時に使っていたランタン風懐中電灯(単3乾電池4本)の球が切れてしまいました。豆球を取り出してみると見慣れないKR 5.4V 0.75A、これをネット検索で調べるとクリプトンピリケン球といい、クリプトンガス封入で発光効率に優れ一般球よりも明るいとわかりました。さっそく豆球を求めてホームセンターに駆けつけると売り場の棚は空っぽ。さらにネット通販を探してもどこも売り切れ続出、さてどうしましょうか?」
ランタン風懐中電灯(単3乾電池×4本)
停電対策を考える
「自動車用バッテリー(12V)にインバーター(DC-ACコンバーター)を組み合わせて家庭用のLED電球で室内を照明することを思い付きました。幸いインバーターは手持ちがあるので、新たに購入するのはバッテリーとLED照明器具くらいで済みます。停電が続くのは間違いないので、計画停電に備えて簡単な照明装置を作ろうと考えました。」
『秋月電子通商で12Vの明るいLED電球が販売されています。なお、このタイプの12V LEDランプは楽天市場などでも手に入ります。』
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-04459/
http://item.rakuten.co.jp/denshi/51113/?s-id=pc_srecommend_01
『12V LED電球のソケットは300円くらいで購入できますが、GU5.3口金LED電球(LEDレフランプ)を勧めます。自動車バッテリーを正しく管理して、停電時に使用する12V用のLED照明を常備しておくのが良いでしょう。自家用車の使用期間が3年を経過していたら、バッテリーを新調して外したバッテリーを非常用電源に活用すると無駄がなく、DC12Vで動作する蛍光灯(3千円位)がお勧めです。100VのLED電球をつなぐのは、インバーターのロスを考えると勧められません。』
「停電時間が3時間ですからインバーターを使っても良いと思っています。今日も停電が予想されるので早く対策をしなければなりません。オートバックスで5千円前後のバッテリーを見つけます。充電器は適当なものを選んで管理しながら使うつもり。LED電球は電器店でどんなものがあるのか値段を含めて見てきます。これよりお勧めのDC12V用のLED電球を発注したいと思います。」
パーツを揃える
友人とこのようメールのやり取りの末に、計画停電に備えて用意したLED照明システムを作り上げるために、次のようなパーツを揃えました。
1. LED電球 パナソニックEVERLEDS(エバーレッズ) 消費電力6.9W 明るさ570ルーメン 寿命4万時間 E26口金 昼光色相当 LDA7D-A1 ダウンライト器具で電球60形相当、ランプ単体で電球40〜50形相当 2,380円
2. LED電球用ソケット(写真撮影用) ジャンク
3. 自動車用バッテリー オートバックス 38B19R 4,980円
4. ソケットワニ口付DCコード 1,029円
5. YUASA MB-1212R充電器(出力12V 1.2A) ジャンク
6. インバーターHF100 大自工業(株) 入力電圧DC12V 出力電圧AC100V 最大出力100W
7. GU5. 3口金LED電球(LEDレフランプ) OSLA03X3W00 900円
8. MR16用プロジェクターソケットクローム 1200円
9. DC電圧計(フルスケール15V) ジャンク
100V用LED電球 パナソニックEVERLEDS (エバーレッズ)LDA7D-A1
DC12V専用GU5. 3口金LED電球とプロジェクターソケットクローム
インバーターHF100 入力DC12V 出力AC100V(100W)
YUASA MB-1212R充電器(出力12V 1.2A)
左から充電器、インバーター、自動車用バッテリー38B19R
「某日、1日に2回(朝と夜)計6時間の停電がありました。それ以降、1日1回(3時間)になりました が、夜の停電は懐中電灯だけではつらいものがあります。夜の停電はランタン風懐中電灯(単3×4本)で過ごしましたが、3時間の連続点灯後、豆球が切れてしまい、使い物にならなくなりました。手元にあるのはペンライト(単3×2本)が2個とローソクだけでは心細く、しっかりした照明装置を用意しなくてはなりません。」
「ホームセンター、家電量販店、スーパーマーケットには単1、単2、単3乾電池が売り切れて手に入りません。幸いカメラ用の単3型ニッケル水素電池(1.2V)を12本持っていましたので、一部をラジオの電源(単3×4本)に回しました。ラジを付き大型懐中電灯がありますが、これは単1乾電池がないため使えません。」
「H君のアドバイスによりDC12V用のLED電球をamazon.comに発注したので手に入り次第、バッテリーからつないで使います。計画停電の無い地域の方々にはなかなか暗闇の生活はわからないでしょうが、そろそろ停電対策を始めてはいかがでしょうか。太陽光発電や風力発電機を使った照明装置のアイデアなどに期待しています。」
簡易照明装置が役立つ
「昨夜は予定通り午後6時30分から停電になり、用意した簡易照明装置がさっそく役立ちました。約7W 570ルーメンの明るさは二部屋を照明して十分でした。LED電球がONの状態でバッテリーの電圧は12Vで安定しています。インバーターの出力100Wは余力十分、変換効率90%は安心して使えます。」
籠に収容して持ち運べるようにした照明装置
LED電球(AC100V)を点灯中。左はDC12V LED電球
「昨夜は3時間の停電の予定が半分の1時間半で終了しましたので、LED電球を消灯した後にインバーターの外箱に触ると「ほんのり温かい」程度でした。停電時間が3時間に限られていることを考えて、今回は「明り」を灯す役割に限定しています。」
さまざまなアイデア
「鉱石ラジオ、高輝度LED照明器具の製作、DC12V蛍光灯の使用など参考になりました。停電が解消するとせっかく作った非常用電源もお蔵入りになりかねません。ホームセンターで大型のLEDランタン(中国製)が山積みになっていました。手にとってみると単1乾電池を8本の仕様に手を引っ込めてしまいましたが、もし外部電源をつなげられるならそれも悪くないと思い直しています。」
「計画停電が終わった後の使いまわしを考えると白熱電球に交換できるE26口金のLED電球が無駄になりません。DC12V用の蛍光灯はクルマに載せておいてキャンプで使うのもよし、12V半田ごてと併せてクルマに持ち込んでおくと屋外での修理、工作ができて便利です。停電時に車載用FM機あるいはHF帯トランシーバー(10W)が使えるようにしておきたいと思います。カセットボンベ使用のHONDA発電機エネポ(EU9iGB)にも興味があります。」
「秋月電子に発注したLED電球(12V 3W、MR16 LED Bulb 100 Lumen/W)900円+送料500円が宅配便で届きました。さらに楽天に発注のMR16用プロジェクターソケットクローム 送料込 1,700円(デンシ電気店、東京・杉並区)が届きました。これでDC12Vのバッテリーに直接つないで照明できます。AC100V LED電球は570ルーメン、MR16 LED電球は100ルーメン(25W電球と同等)ですから比較すると約半分の明るさになります。」
あとがき
YUASA MB-1212R充電器(出力12V 1.2A)には充電モニター機能があり、満充電の約80%になると電源がOFFになる安全設計で素人に扱いやすくXYLも安心しています。シールド(密閉型)バッテリー以外は充電終期に陽極から酸素ガス、負極から水素ガスが発生しバッテリーから外気へ出るので、置き場所に注意が必要なのは言うまでもありません。また、バッテリーを購入する際に店頭で用途を聞かれて「停電対策」と申し出ると「保証が効かない」と言われました。
照明設備を作った後(4月上旬)、しばらく続くと見られていた「計画停電」が見送られて喜びたいところですが、せっかく用意した照明装置の出番がなくなりました。とはいうものの「備えあれば憂いなし」のことわざ通りに照明装置を用意しておくと、いざという時に照明と共に無線機の非常用電源としても役に立つ時が来ると思い直しています。