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No.141 「モールストレーナーとUSB出力バッテリー」
No.139で「タブレット端末の導入とハム用アプリ」を書きました。今回はその追加情報として、CW入門者に勧めたい「モールストレーナー(Morse Trainer)」を紹介します。併せてタブレット端末(NEC LifeTouch)の外部電源として、とっさの電池切れに役立つ、単三乾電池1.5V×2本で5Vの出力が得られるUSB出力バッテリーを取り上げました。
ハム用アプリ[Morse Trainer]
友人が[Morse Trainer]を使っているのを知り、「Playストア」からダウンロードしました。同名のアプリ[Morse Trainer Light](無料)もありますが、一部の機能が使えないため有料アプリの[Morse Trainer] (228円)にしました。第一級、第二級アマチュア無線技士の資格を有しながらモールス符号による交信が苦手な方、あるいはこれから密かにCW交信を目指す方の耳慣らしに最適なハム用アプリとして披露しておきます。
写真1. Morse Trainerのコールサイン・モードの画面
写真2. LifeTouchを縦置きにしてMorse Trainerのセッティング画面
写真3. 同じくコールサイン・モード 12wpm 600Hz
[Morse Trainer]は直感的に使えてお勧めです。写真は「callsign mode」12wpm 600Hzで送出されている状況を示します。内外のコールサインを1分間に12ワード、つまり12×5文字=60字となります。600Hzはトーン(音調)、右隣にモールス符号のM ― ― と表示。LifeTouchの[メニュー]ボタンに続いて[settings」を押すと、モードの設定に変わり、それぞれ数値を変更できます。(赤色は初期値)
・Frequency (frequency of the morse tone) 600Hz 200Hz〜2200Hz
・Waveform sine triangle
・Fading % of tone length to fade the tone 8% 0%〜30%
・Speed speed in words per minute(wpm) 12Wpm 2〜62 Wpm
・Spacing spacing between dots 1 dots 1 dots〜11dots
・Dot-Dash Ratio length ratio between dots and dashes 3 dots 2 dots〜12 dots
・Letter Spacing spacing between each word 3 dots 2 dots〜32 dots
・Screen dim off
[MODE]をタップすると5つのモードに変わります。
「english words mode」 「own text mode」 「ebook mode」 「groups of mode」 「qso text mode」
SANYO KBC-DS2 Lightを流用する
携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」の専用充電器です。充電器は筒状の中に単三型ニッケル水素電池HR-3UTG×2個が入ります。価格はジャンク扱いの690円。元値は3千円前後ですからお買い得です。すでに生産を終了していますが、見つけたら買っておくことを勧めます。LifeTouchは内蔵のバッテリー駆動で約8時間の対応が見込める仕様ですが、飛行機に長時間乗った場合、8時間では心もとなく、実際には6掛けの5時間程度と考えて、後の5時間を専用充電器がカバーします。
エアバスA380-800の機内エンターテイメント(映画・音楽など)は充実しており、時間を持て余さない工夫がなされています。それでも長い時間を有効に使いたい気持ちからタブレット端末を持ち込み、あらかじめダウンロードした「E-BOOKや映画、音楽」を楽しみ、気が向くとMorse trainerを開いてモールス符号を受信するため、予備の専用充電器が欠かせない事情があります。
折からドイツの「フラッグキャリア」、ルフトハンザドイツ航空は『高速・高性能のインターネット接続により、無線LAN対応ノートパソコンやスマートフォンを使ったインターネットアクセスが全搭乗クラスで可能になる。』とのニュースが流れました。
『ルフトハンザは先進的だな』『これはもうタブレット端末を持ち込むしかない。』
『次のフライトからインターネットの体験できるかもしれない。』
予備のバッテリーによるバックアップがますます重要になってきた感があります。
写真4. 「ニンテンドーDS」の専用充電器 SANYO KBC-DS2 Light
写真5. SANYO KBC-DS2 Lightから単三型ニッケル水素電池を取り出し、DCプラグとDS Lite専用の変換ケーブルを追加した
次に仕様を示します。
出力:DC5.2V 450mA
出力時間:約100分(約65%充電)ニンテンドーDS Lite本体内蔵電池を充電した場合。
出力端子:DCプラグ(DS Lite専用)
本体寸法(質量) φ18×高さ148mm(約40g/電池込:約94g)
パックサイズ:幅121×奥行き18×高さ211mm
この充電アダプタの出力端子がDS Lite専用なのでLifeTouchの接続コネクタに合わせて写真のようなL型プラグに取り替えました。
ジャンクのUSB出力充電器
LifeTouchの専用ACアダプタ(AC100〜240V、5V-3A)です。その下はジャンクのUSB出力アダプタ(100〜240V、5V-1A)に接続のUSB-DCプラグ変換ケーブルです。サイズに大きな違いがあり、持ち運びに後者が有利です。100円ショップで手に入れました。
写真6. LifeTouchの専用ACアダプタ(上)とジャンクのUSB出力アダプタ(下)
DC-DCコンバーターで作る充電器
単三乾電池ケースとDC-DCコンバーター MINMAX MCW03-05D05です。これを乾電池ケースの中に入れると外部電源になります。仕様はIN4.5-9VDC、OUT±5VDC、300mA。秋月電子通商で価格は800円です。ただし、この乾電池ケースは1.5V×4個=6Vになるので、ダミーを入れて3個×1.5V=4.5Vにしました。MCW03-05D05のブロックダイアグラム(デュアル・アウトプット)を示します。
写真7. 単三乾電池ケースとDC-DCコンバーター
写真8. MINMAX MCW03-05D05
写真9. MCW03-05D05のブロックダイヤグラム(Dual Output)仕様書より転載
SANYO リチウムイオンバッテリー KBC-L2AS
KBC-L2ASは生産を終了していますので、手に入れるのが難しいかもしれません。いまならPanasonic USB対応モバイル電源パック リチウムイオン5400 ホワイト QE-PL201-Wでしょうか。4千円前後で手に入ると思います。とっさの電池切れにも専用高容量リチウムイオン電池内蔵で、同時に2台の機器を充電でき、約130g。出張や旅行、通勤・通学に便利。
写真10. SANYO USB出力付きリチウムイオンバッテリーKBC-L2AS
充電式リチウムイオン電池3.7V/5000mAh使用。
本体寸法(質量) W62×D22×H70mm(約130g)
パックサイズ W105×D160×H69mm
入力電源 ミニUSBプラグ DC5V/500mA MAX AC100-240V/50-60Hz
出力 USB端子部:DC5V/500mA×2
出力時間 1端子使用時 約240分 2端子使用時 約120分
充電時間 ACアダプタ入力:約7時間/USB端子入力:約14時間
充電器はジャンクのUSB出力アダプタ(入力AC100-240V、出力DC5V、1A)を使います。
写真11. ジャンクのUSB出力のアダプタ
簡易なUSB出力バッテリー
単三乾電池2個で5Vの出力の得られる充電器です。このセットは無名ながらiPodTouchの充電端子が付いているところに価値があります。
写真12. 簡易なUSB出力バッテリー
ある時、飛行機に搭乗してiPodTouchの電源スイッチをオンしても電源が入らない。『スイッチの入れっ放しで放電していたらしい』と気付いて戸惑う中、バッテリー切れに備えて単三乾電池使用の充電器をバッグに仕舞い込んでいたのを思い出して、これをiPodTouchに装着、事なきを得た思い出があります。
あとがき
タブレット端末、携帯音楽プレイヤーの内蔵バッテリー切れに備えて、各種各様の充電器を揃えているうちに、コレクションがいつの間にか増えてしまいました。秋葉原の電気街には携帯電話やタブレット端末の様々なアクセサリーを売るショップが軒を並べているので、歩き回っている時に掘り出し物を見つけるとつい手を出してしまいます。しかしながら、正規品以外のアクセサリー類は見極めが肝心で、規格違いのパーツを手にして失敗することもありますので注意が必要です。